常野物語シリーズ第三弾、エンド・ゲームのレビューです。
光の帝国の中の短編「オセロ・ゲーム」の続きと言っていい作品。
【ストーリー】「裏返さ」なければ「裏返される」。
正体不明の「あれ」と戦い続けてきた拝島親子。
最強の力を持っていた父親は、ある日裏返されて
どこかに行ってしまった。
彼女たちには「あれ」が人間ではない異質なものに見える。
例えば、腐ったいちごの頭、例えばボーリングのピン。
それぞれのトラウマによって、見え方は違う。
出会った瞬間に裏返さなければ、こっちが裏返されてしまうのだ。
だからいつだって油断はできない。
いつだってこちらが最初に相手を視界に入れなければいけない。
裏返された人間は、すっかり別人のようになる。
激しく抵抗して廃人になる人もいれば、まったく新しい人格と記憶を獲得する人もいる。
父がいなくなり、残された母と娘二人で生きてきたそんなある日、
母・瑛子は倒れ、一族最強の力をもつ娘・時子だけが残された。
時子は小さい頃から母が、「何かあったら電話するように」とメモしていた
番号に電話をかける。そこで出会った「洗濯屋」の存在。
拝島一家と「あれ」との関係、隠された過去が明らかになる・・・。
【感想】先が気になって読ませていく面白さは間違いなくあるものの、
終盤急いだ感があって、説明不足な感じがあった。
読後感としては不満足。
1つめのどんでんがえしまではいいとしよう。
その後の2つめのどんでんがえしの箇所。
読者置いてきぼりじゃないの?という感じ。
そして大した説明もなく終了。うーん。
途中まで面白いと思わせる要素はあったので、残念な感じ。
恩田陸はよく、読者の想像に任せる狙いでか、
謎を全て解かず曖昧に残しておく、みたいなところあるけど、
今回のこれはちょっと違うんじゃないかな、と思った。
面白さはちゃんと存在してるんだけど、最後の最後、
もうちょっと完成させてほしかった。
読み返してみると
裏返す=
自分の色に染める、自分の都合のいい記憶をうえつける、騙す(ネタバレにつき一応反転で)という意味合いもあるのかな。
それから他の人も書いていたが、
「あれ」と拝島家サイドの関係、結局
「月の裏側」的な展開じゃないかと思った。
(以下ネタバレにつき伏せてます。反転してご覧ください。)
エイリアンからみれば、こちらがエイリアン。
昔恐れていた異人と今は結婚する人も増え、
異なると思っていた種は混ざっていく。そんな感じで言いたいことはわかるけどね。
お母さん(瑛子)が結局お父さん(肇)とヨリを戻さなかったあたりの根拠描写もなかったし、
瑛子のおばあちゃんは結局なんだったんだ、というところも気になる。
ぽっと出で最後のオチを攫って行ったけど、ほんと説明不足。
肇の自己中さはうっすらとわかったんだけどさ。
それでももうちょっと二人の決別の会話があってもよかったような。
騙されてたし、ずっと捨てられてたわけだから、
根拠はあるっちゃあるんだけど。
時子の潜在能力の大きさは次回作への布石なのかなぁ。
全然活躍してなかったけど。
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